一度でも腰痛を経験したことがあるという方は、国民の80%にものぼると言われております。
さらに、その内の40，5%の人が「月曜日の朝8時～11時」のタイミングで腰痛を感じやすいという研究結果があります。
その背景には土日が休日であるため、この2日間に平日とは違い身体を動かさず、身体が固まってしまう。
という因果が存在します。

本来であれば休日というのは、日頃の労働で疲弊した身体を休めるためにあるような気もしますが、その休み明けに腰痛が発症してしまうというのはなんだか不合理な気もしますよね。
 

<身体が固まってしまうとなぜ腰痛を起こしやすくなるのか？>

その理由は「寝相」にあります。
身体が固くなると、その影響は寝相にまで及んでくるのです。
寝相が良いというと聞こえはいい気もしますが、身体にとっては寝返りをしっかりうち、少々寝相が良くないくらいの方が負担は少なくなります。

腰痛の原因として「同じ姿勢で立ちっぱなし」だったり「長時間の車の運転」などが挙げられますが、起床時に腰痛を起こしやすい人で多いのが「寝返りの少ない寝相」です。
睡眠時の寝返りが20回以上ある方は一般的に健康的ですが、寝返りが「10回未満」の方の場合、腰痛を起こしやすいという研究結果があります。
あくまで寝ている時なので、自分の寝返り回数を正確に把握するのは難しいことではありますが、起床時に腰痛があれば寝返りの少ない寝相である可能性が高いです。

寝ている時は、重力の関係で体重の40%が身体の重りになっていると言われております。
その中で特に負担のかかりやすい場所が腰です。
なぜなら、人間にはお腹のある中央部に内臓が集まっているため、仰向けに寝た時の内臓の重さはその下にある腰周辺に一気にのしかかってきます。
そのため、長時間の仰向けの状態が続くと腰回りの血管が圧迫され血流の流れが悪くなってしまい、栄養と酸素を運んでいる血液の、流れが悪い箇所は酸欠状態となり、痛みの炎症物質が放出されるのです。

<なぜ寝返りが少なくなるのか？>

①寝ている場所が狭くて身動きがとりずらい
②マットレスが柔らかすぎて身体が沈み込んでしまっている。
③身体が固まっている
主に寝返りのしづらい理由としてはこの3つです。

①と②に関しては睡眠環境を整えることで解決できますが、問題は③です。
③の身体が固まっている方は

身体が固まっているため寝返りが打ちづらい
↓
寝返りが少ないため腰に負担かかる
↓
さらに身体固くなる

の悪循環が起こりやすい状態になっています。
ではどうすれば寝返りが打てるようになるのか？
それは寝る前に身体をストレッチすることです。

寝返りを打つというのは全身を動かすことでもあるため、身体中の様々な筋肉を使って寝返りを打っています。
そのため身体が固まることで、全身の筋肉を使いづらくなり、寝返りが打ちづらくなってしまうのです。
そして、人間の身体に数ある筋肉の中でも、寝返りを打つときに特に働く重要な筋肉があります。
それは「脊柱起立筋」と「ハムストリングス」の２つです。
脊柱起立筋とは骨盤から首までつながる背中の筋肉です。(棘筋、最長筋、腸肋筋の3つ合わせて脊柱起立筋になります)
ハムストリングスはももの裏の筋肉です。(大腿二頭筋、半腱様筋、半膜様筋の3つを合わせてハムストリングスになります)

ハムストリングスのストレッチ手順③

膝を顔まで近づけたらその状態で足を伸ばします。
ももの裏が伸びてきたあたりで止めます(痛みのない程度で)
止めてから10秒間数えます。

<脊柱起立筋のストレッチ>